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2009年5月13日 (水)

妖魔詩話

 昨夜、夕方過ぎから雨が降りましたが、今日はよく晴れています。5月らしい、気持ちの良い天気です!happy01

Img_0656 写真は『小泉八雲秘稿画本 妖魔詩話』(小泉一雄編・昭和9年)。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が松江に長く居たということで中国地方に縁があり、また「妖怪を海外に紹介する」とテーマが普通ではない点に興味があり、先日、市(いち)で実物を見たところ、内容が期待以上に面白かったため、落としたものです。

 この本について少し書かせてください。小泉八雲の長男である編者が、父の没後30年を記念して何か出版を、と古い葛籠をあさっていたところ、1冊の古いノートが出てきたそうです。このノートこそ、この本の原本です。ノートには、妖怪に関する狂歌と戯画がありました。

 話はさかのぼり明治36年の春、編者は母にともなわれ、古本あさりに出かけました。父に頼まれ、妖怪に関する本を探しに出たのでした。何軒めかの古本屋で母親が「狂歌百物語」という本に目をとめ、早速、買い求めて帰ったところ、八雲はこれをひどく気に入り、妖怪に関する狂歌をせっせと英訳してはノートに書き、ついでに絵も書いたということです。のちに狂歌のほうは海外で出版されたのですが、絵はノートに残されたままでした。編者は、狂歌の部分を校正して定本とするとともにこの絵も紹介したいと考え、この本が誕生することとなったのです。

Img_0661 以上は序文にあるのですが、その中には「当人の霊は草葉の陰で『コウ私恥ル』と声無い声で申しているかも知れません」ともあります。面白いではありませんか。本人は落書き(?)が後に広く発表されるとは夢にも思っていないのです。失礼ながら、そういうものこそ面白いのは当然です。この一文に、にやりとしてしまいました。

 編者は続けます。「これらの絵を見ますとその巧拙は別問題として、いずれの絵にもやはり亡父の神秘好きな点や奇抜な着想を持っていた点などその個性の一端が遺憾なく現れている様に思います」。その通り、どの絵も「巧拙は別問題として」味があり、見る者を飽きさせない何かを持っているように私も感じました。編者が語る通り、生真面目なだけではなかったという小泉八雲の内面がよく見てとれる一冊と思います。

 引用ばかりの紹介ですみません。しかし、手に入れて良かったと思える本です。例によって安くはありませんでしたがcoldsweats01。大切にしたいと思います。明日は定休日です。

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