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2008年3月26日 (水)

宝物

 午後から買い入れのため広島市内へ。途中、雨がざっと降ったり、そうかと思えば晴れ上がったり、おかしな天気でした。

 文学ばかり本棚で10本ほど。きれいに整理されています。全集がほとんどなく単行本ばかりなのは珍しいことで、個人の蔵書としては大量といえます。しかし、文学といえば今最も売れない分野の一つです。高く買うことはできない、しかし立派なコレクションではある……古書店の葛藤が始まります。「いらない本は残しておいてください。捨てますから」とご夫人の親切なお言葉。しかし、捨てると言われると何とかしてあげられないかとますます思います。結局、今日はクルマに積めるだけ積み、来週再訪することにしました。正直、すべては持ち帰れませんが、1冊でも多く買わせていただきたいと思います。

 聞けば、ほとんどが長く入院中のご主人の本だとか。話し合われ、いよいよ処分しようということになり、そのときご主人は「私が病院にいるうちに処分してくれ」とおっしゃったそうです。お気持ち、わかります。ご主人にとって、蔵書は宝物にほかならないはずです。断腸の思いで決断されたのでしょう。やや良い格好になりますが、古書店は本とともにこうした思いも引き受けています。

 熊野へ戻ると、雨がやんだ代わりに風がやや強くなっていました。寒の戻り、というほどのものではありませんが、季節の変わり目、体調を崩さないよう気をつけたいと思います。明日は定休日です。

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コメント

私も何度か本を処分しましたが、その時々に、ほかに換金できるものを持っていなかったためです。
土石流災害の折納屋に浸水して多くを濡らしてしまった折など、やけになって燃やしたこともあります。
いわゆる書物フェチなんでしょうね。
そしていつか図書館のような施設にしてやろう、市や県の図書館では見ないような傾向の本で!なんて目論見ももっていました。
なので、どんなに迷惑がられても、最期には全部を並べてにんまりしながら逝きたいと思っています。

投稿: KIRICKLAND | 2008年3月26日 (水) 19時21分

KIRICKLANDさま、コメントありがとうございます。

悩ましいですね。考えてみたのですが、私であれば先に処分を考えるかもしれません。本の行方が気になってしまいます。リサイクル店に持ち込まれたり、資源ゴミにされてしまうよりは……。

投稿: 神鳥大悟 | 2008年3月26日 (水) 20時30分

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