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2008年2月 3日 (日)

高く売るコツ

 先日、お客さまに「どんな本を高く買ってくれるのですか?」とたずねられ、答えに窮しました。一言で言えば「古くて、珍しい本」ということになりますが、それでは漠然とし過ぎています。こういうとき、専門のジャンルがあれば「うちは○○関係の本は高く買います!」と胸を張れるのですが、今のところ、当店にそれはありません。強いて挙げれば「歴史」「美術」「趣味」ということになります。しかし高く買うには当然ながら相場に精通していなければならず、また、これらの分野について知識が突出しているかというと残念ながらそうではないのが現状です。広く浅く知っていることも大事なことですが、せめて一つは何か武器を持ち、磨き上げたいものです。

 とはいえ古本屋を何年もやっていると、よほど珍しいものでない限り、極端な「買い間違い」はなくなるのも事実です。いわゆる普通の本であれば高く買いすぎたり、安く買い過ぎたりすることは少ないということです。ただし、例外があります。それは「店主の趣味に合うものは高く売れる」ということです。本が嫌いな店主はおらず、同じ本であっても趣味に合えば必ず高く買います。本を売りたいとお考えの方はこのことを覚えておくと少し得することがあるかもしれません。売りたいと思っているジャンルの本を多く揃えている、価格が高い、そして大事に扱っている、そんな店に大切な蔵書を持ち込まれることを強くおすすめしたいと思います。

 ついでにもう一つ、高く買い入れるのが難しい本を紹介しておきます。昔よく売れ、今は需要がないもの、これは高く買うことができません。筆頭は「百科事典」です。古書店にかかってくる電話の半数が「百科事典を売りたいのですが……」というものであるといっても過言ではありません。載っている情報が古い、そして何よりかさばる……今やパソコンが1台あれば事足りてしまうため、当店を含め百科事典を買う古書店は極めて少ないと思います。申し訳ありません。かさばる、といえば同じ理由で不人気なのが全集類です。何十冊もの立派な文学全集、美術全集を置いておくことができるスペースとご家族の理解は今や得難いのでしょうか。昔と比べれば格安で入手でき、また、内容が素晴らしいのはいうまでもなく、古書店としては惜しいという思いもあります。昔よく売れ、今は需要がないものといえば、かつてのベストセラーも古書店にとって売りにくいものの一つです。かつてよく売れ、今も持続的に売れる演歌のような本はあまりないからです。売りにくいということは、高く買えないということになります。以上、何かの参考になれば幸いです。

 熊野町は曇り時々雨。朝は昨夜からの雪がうっすらと積もっているのを見ることができましたが、昼過ぎの雨でほとんどが溶けました。安定しない、実に冬らしい空模様が続いています。今日は節分。豆はまきませんが、太巻きはいただきます。

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