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2007年9月 5日 (水)

流した汗は嘘をつかない

 先週の土曜、カープの前田智徳選手が2000安打を達成しました。2000本目のヒットは、8回裏に生まれました。実は前のイニング、7回裏は前田選手の打席で終わっており、ゲームは1点のビハインドでした。つまり、この日、前田選手が2000安打を達成するには、8回裏もしくは9回裏に1点を取って延長戦に持ち込むか、8回裏に大量点を奪い、もう一度、前田選手まで打順を回すか、このいずれかしかありませんでした(8回裏に大量点を取れば、おそらく9回裏の攻撃はないからです)。注目の8回裏、嶋選手の3ランが飛び出し、この時点でカープが逆に2点をリード。9回表に失点し、延長戦に入る可能性はありましたが、実質、8回裏に前田選手に打席が回らなければこの日の達成はなし、という展開になりました。可能性とすると、わずかもない場面です。しかし、奇跡が起きました。

 プロ野球に興味がない方には申し訳ないのですが、この回のカープの攻撃を振り返ると、まず先頭打者の6番栗原選手が四球を選び、7番広瀬選手が送って1アウト2塁、8番の代打森笠選手がレフト前にヒットを放って1アウト1、3塁、9番の代打嶋選手が初球をレフトスタンドに運びました。この時点でスコアはカープの2点リードです。打順は先頭に戻りましたが、アウトが一つ、前田選手の打順は5番です。1番の梵選手が四球を選び、2番東出選手がレフト前ヒットで1アウト1、3塁。3番アレックス選手はピッチャーゴロでしたが、このとき1塁ランナーの東出選手がスタートを切っており、アウトは打者のみ。これで2アウト。いよいよ前田選手まであと2人、4番新井選手の打席が注目されました。スタンドの祈りが通じたか、新井選手は粘りに粘って四球。2アウト満塁、最高の場面で前田選手がこの日5回目の打席に入りました。前田選手は中日、久本投手の3球目をライト前に運び、歓喜の2000安打達成。前のイニングが自分で終わり、次の回に再び打席が回ってくるとは、本人も思わなかったでしょう。野球の神様は存在する、そうとしか思えない展開でしたね、と前田選手は後で語っていました。

 右足アキレス腱の断裂という大ケガをはじめ、数々のケガに泣きながら、ここまで数字を積み上げたという事実に感動します。周囲から天才と呼ばれ、ケガがなければ記録は何年も前に達成していたといわれますが、練習好きが多いといわれるカープというチームにあっても、最も練習をするのはほかでもない前田選手といいます。センスを持ち合わせているのはもちろんでしょうが、練習は正直であり、流した汗は嘘をつかないということでしょう。私が今からヒットを2000本打つことはできませんが、見習うべき人だと思いました。明日は定休日です。

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